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クロムモリブデン鋼は機械構造用合金鋼に属しており、鉄(Steel)に極僅かのクロム(Cromium 0.9~1.5%)モリブデン(Molybdenum 0.15~0.45%)等を添加した低合金鋼の一種です。
略して「クロモリ」「クロモリ鋼」とも呼ばれています。JIS G4305に規定され、クロムモリブデン鋼としては11種が規定されています。
鋼帯をオーステナイト化温度まで加熱後、その温度から急冷し、マルテンサイト変態温度以上500°C以下の
度で等温保持することで、ベーナイト変態が起こります。
ベーナイト変態の起こる温度範囲の内、高温側で変態したものが、上部ベーナイト組織、また、低温側で
変態したものが、下部ベーナイト組織と呼ばれます。
ベーナイト組織を作るためには、オーステナイト変態点以下の温度で鋼材を一定に保持する必要があります。これらをオーステンパ処理とも呼びます。
ベーナイト鋼は、ばね用冷間圧延鋼帯を、オーステンパ処理したものです。
焼き入れ焼き戻しを行ったときにも、このベーナイトと似た状態になりますが、こちらのベーナイト組織をもつ鋼はこうした焼き入れ焼き戻しよりもさらに靭性に優れているため強度に富み粘り強く、それでいて加工性もよい鋼材となります。
強靭なバネにはうってつけですが、用途としては高炭素鋼が適するものであれば幅広く使うことができます。
鉄にモリブデンを加えると、鋼はより強度や高度を増し、粘り強さやしなやかさも高める事ができます。その為硬さと靭性に優れ、耐摩耗性が高い素材になります。
また、焼戻しに対する抵抗、機械的性質が優れており500℃前後の高温でも強度が低下し難い為高温高圧が作用する箇所にも使われます。
表面仕上げについてもきれいに仕上げる事がきますので、美観が要求される製品にもよく使用されます。
一方で、クロムモリブデン鋼のクロムの添加量は発錆を防ぐ最低量10.5%に対しはるかに少ない為、ステンレス鋼に比べると耐食性は弱くなります。
上記特徴を生かしスパナやメガネレンチと言った工具類、また石油プラントや火力発電所における圧力容器・交換・バルブなどの材料、自動車や航空機の部品、自転車のフレームにもよく使われています。
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