藤井製作所プレス加工一貫生産・樹脂成形・両技術の融合
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PVC・ポリ塩化ビニル(ビニール)とは

汎用樹脂の主たる素材の一つであり、その特性から加工の自由度も高く世の中の製品に幅広く使用されている。
熱可塑性樹脂に分類される素材であり、ビニールと呼べばが馴染みがあるかもしれない。
軟質塩ビはソフトビニールとも呼ばれソフビと略され玩具の素材としても有名である。
原料となるのは塩ビモノマーと呼ばれる高圧ガス状のものであり、合成樹脂である塩ビポリマーとは区別される。
一般的に【塩ビ】という言葉は塩ビポリマー(PVC)と呼ばれる樹脂のことを指すことが多い。
石油成分が40%程であり、他の汎用プラスチックなどの成分の100%を有するものと比較すると省エネな素材と言える。
塩ビ自体も省エネであり、そこから物を作る際、または廃棄する際においてもエネルギーを押えることが出来る。
また、塩ビは酸化し難く劣化も少ないため粉末状のまま保管することも可能である。

原料である塩ビモノマーの発がん性は最上位(タバコ・アルコール・すすと同位)でありガスを人体に吸引することは危険を伴う。
しかし塩ビポリマーの発がん性は4番手でお茶などと同位である。よって発がん性について関連付けすることは難しいとされる。
これは国際がん研究機関の調査に基づいたものである。
ただし厳密には塩ビポリマー内における塩ビモノマーの残存は”0”ではないため、食品容器や医療機器に関しては特に厳格な基準が設けられている。
塩素を60%含んでいるため、ダイオキシンなど公害問題はあるものの、それは不完全燃焼に因るものであり”ダイオキシン”自体は古来より存在している成分であることが研究でわかっている。
全体の出荷量としては硬質が全体の50%以上、軟質が25%弱で他用途及び電線被覆用途に残りという構成になっている。
実際に身の回りの物に着目すると見ない日は無いと言っても過言ではないぐらいにいたるところに溢れている素材である。

塩ビの比重は1.4(軟質の場合は~1.3程と若干軽くなる)と重いがその水に浮く特性を活かし遮水シートとして河川や港湾、土木現場や貯水池などで活用されている。
アパレル業界でも海外のハイブランド製品をはじめシースルーのバッグやポーチなどにも使われており、多種多様な業界で扱いがある。

メリット 主な製品事例及び補足事項
コストが安い 多種多様な製品に利用される要因の主たる1つ
耐油、耐薬品性 薬品タンク、プラスチックバルブ、工業配管、チューブなど
耐水性 テント、排水・下水パイプ・配管、雨どいなど
耐食性 パイプ・継ぎ手など
接着性・印刷性が良い PVCレザー、壁紙、床材など。溶剤などと混合し接着剤としての利用。
加工性 複雑な形状の異形押出成型やカレンダー成形、切削や曲げ、接着、真空成型などの追加工が可能。収縮の際の引けも小さく寸法精度も高め。
難燃性・自己消化性 住宅用のサイディング材、窓枠など。着火温度が455℃と他汎用プラスチック類と比べると高く燃え難い。
電気絶縁性 電線被膜、コンセントタップなど
耐久性 硬質塩ビは圧力や曲げなどに関してアルミと同程度の強さを持つ。硬質塩ビのパイプは50年持つとも言われる。
耐疲労性・耐クリープ性 パイプや建築資材など日常のあらゆるPVCを使用した製品
透明性 フィルムシート、ラップ類、ビニールハウスフィルムなど

その他摩擦が小さいため水などの流動性に優れている。その特性を生かし医療用のチューブやカテーテルにも永く使用実績がある。
可塑剤の添加配分で軟質硬質を変えることが可能。軟質へと変化させてもメリットの多くを失わない。
可塑剤や着色剤などの添加物を配合することで様々な特性付与・強化を図れそれを基に製品作成が可能。
金属との接着する際の接着材もホームセンターなどで容易に求めることが可能である。

デメリット

耐熱性に乏しく60~80℃程度で軟化してしまう。可塑剤の添加で改質が図れる。
シンナー、ベンジンなどの芳香族系炭化水素類含む有機溶剤には弱く溶解の恐れがある。
環境汚染や健康被害などセンセーショナルな過去の話題からのイメージによりユーザーによってはいまだに敬遠される場合がある。
衝撃強度に弱点があり、特に低温時に弱い。ただし耐衝撃の特性をもつゴム素材などを混合することで改良を図ることが可能。
添加されている可塑剤の移行という添加されている可塑剤が染み出してしまう現象が起きることがある。身の回りでイメージすると消しゴムなどが別のものにくっつく現象である。
溶融粘度が比較的高く粘弾性があるがゆえに大型の射出成型には向かない。

熱可塑性エラストマー(TPE)との比較

PVCのメリット 耐油性が優れている。エラストマーは油に比較的弱い為油が染み出してしまう恐れがある。
素材としての歴史が古いため、作業設備をはじめ知見を伴った企業が多い。
表面の質感や傷耐性がエラストマーより良いため外観に拘るものだと特にコストを抑えることが可能である。
熱可塑性エラストマーのメリット 素材のほとんどをリサイクルすることが容易である。加工や廃棄時にも有害なものがほとんど無い為環境に易しい。
現状使用されている射出成型機や押し出し機の素材として代用することが可能。
食器や幼児向けの玩具など安全性を求められる製品にも容易に使用することが可能。
塩ビへの添加剤としても近年使用されている。

軟質塩ビ・主な製品例

レインコート、浮き輪、ビーチボール
テーブルクロス、デスクマット、マウスパッド、手帳カバー
ビニール手袋、輸血バッグ、医療用バッグ、ランドセルカバー
絶縁テープ、配線カバー、ソフビ玩具、ゴルフバッグ
など